FRB 利下げの一歩目は何故0.5%だったのか 240919
先週まで、市場の利下げ幅の予想(FF金利先物に基づく)は9割がた0.25%でした。エコノミストたちの予想もおそらく同様だったと思います。
ところが、先週末頃から市場予想で0.5%が6割超に急に変わった。WSJの観測記事がきっかけとされていますが、どうも釈然としません。
本日のパウエル議長の記者会見を聞いても理由がよくわかりませんでした。『利下げが遅すぎれば経済や労働市場を過剰に弱めることになる』。雇用に弱さが見られるのはそのとおりだと思いますが、アメリカ経済そのものは決して弱くない。GDP成長率は2%台後半を巡航速度でキープしています。4年半ぶりの政策変更ですから慎重にスタートするのが常道でしょう。後手に回るのを恐れたといっても、逆に引締めを緩めればインフレが再加速する可能性があります。株価は最高値圏にあり資産効果で消費活動全体は落ちていない。
FRB内部の反対意見を抑えて常道を逸したのは、パウエルさん個人の決定に政治的な要素が働いたにちがいないと邪推したくなります。
(2024/9/19 20:37)